本来、眼鏡とは視力を矯正するための医療器具であり、一人一人の眼や生活環境に合わせて作る身体の一部です。しかし、昨今は眼鏡を医療器具としてではなく、単に「ものを見る品」と考え、価格が安ければ良い!フレームがおしゃれなら良い!と、眼鏡本来の必要性を蔑ろにした考えの消費者が多いです。

同時に眼鏡屋の考えも様変わりし、医療に携わり、人の眼を左右するという役目にも拘らず、単なる銭儲けの一環とし、売上重視の拡大路線を進むメガネ屋が殆どとなり、本来の眼鏡屋としての仕事が出来る眼鏡屋や眼鏡職人が全国で激減しました。結果、眼に合わない眼鏡を作られる方々や、きちんとした眼鏡を作りたい消費者が、どこの眼鏡店で作れば良いのか分からない、という悪循環な環境となり、消費者の方々には大変ご不便ご迷惑をお掛けしております。

屡々、昔は腕の良い眼鏡屋さんがいくつもあったけど、今は訳の分からないメガネ屋ばかりで、まともな眼鏡屋さんが無くなったもんな~!と、中川眼鏡店のお客様に言われることもあり、眼鏡屋として眼鏡職人として、情けなく思っております。

これ以上、消費者の方々にご迷惑をお掛けするのも心苦しく、眼鏡職人としての自尊心もあり、同じ考えを持つ北海道内の眼鏡職人の仲間達で、「蝦夷眼鏡職人會」を発起しました。北海道では、僅かになってしまった眼鏡職人達で、先人達が苦労して築いてきた眼鏡作りの「知識」や「技術」を守り、次の世代、その次の世代へと伝授出来るよう眼鏡職人の「魂」を守っております。

しかし、平成の終わりと共に、北海道内の眼鏡職人は、僅かになってしまいました。一人前の眼鏡職人になるには、15年~20年程の修業と経験が必要で、数年で簡単に眼鏡職人になるのは難しく、次の世代の眼鏡職人になる若人もおりません。

北海道では、最後の2名になってしまった眼鏡職人ですが、最後まで眼鏡職人の灯と伝統を守っていく所存でございます。