


お子様の眼は、オギャッ!と生まれてから身体と共に発育し、大人の眼球として完成するのが20歳頃。眼球が発育している大切な成長期に、視力の合っていない眼鏡を掛け続け、眼球が完成する20歳を過ぎた頃には、強度な視力になっている方が、近年もの凄く増えております。
実際、昔と比べ、眼鏡を掛けているお子様が多いのにお気付きでしょうか?昭和の時代、眼鏡を掛けているのは、教室でも1人か2人程。しかし、現代では教室の1/3や1/2は当たり前、多い教室では、8割・9割のお子様が眼鏡を掛けています。
しかし、何故こんなにも眼鏡を掛けるお子様が増えたのだろうか?と疑問を持つようになり、長年に渡り原因を調べてみました。その結果、加矯正の眼鏡を掛け、短期間で度数を強くした眼鏡を何度も作り直しているお子様が殆どでした。 つまり、お子様の眼や生活環境に合わせた視力矯正ではなく、単に視力が1.2や1.5が見える視力矯正で合わせた眼鏡を掛け続けているのです。
時代が変わると共に、お子様の生活環境もガラッと様変わりします。学校から帰宅し鞄を放り投げて、公園等で鼻水を垂らしながら遊んでいた昭和の時代とは違い、学校が終われば、夜遅くまで塾やお稽古事と、大人よりも多忙な日々を過ごす現代のお子様達。学校の授業でも、先生が黒板に書いたものを読んだり、書いたりするよりも、パソコンやタブレットを用いた授業が増え、昔よりも遠くを見る機会が少なくなっております。そんな時代変化の中、未だ昭和の時代と同じ視力矯正をしている眼鏡店や眼科医が多く、学校の健康診断でも昔のままの基準を用いているのが、そもそもの原因ではないかと考えております。
中川眼鏡店にお子様の眼鏡を作りにお見えになられる方々は、ご近所に住む方々を始め、遠方からでもお子様の眼鏡は、大切と考えている方々ばかりです。単に眼鏡フレームがカワイイ! 価格が安い!という考えの方が一般には多いですが、安易な考えだけで眼鏡を作ると、全てのしわ寄せはお子様に来ます。眼鏡店は、売り上げを上げる為に、価格を安くしたり、品揃えを増やしたりと、ありとあらゆる手法を取って消費者の心を掴もうとしていますが、お子様の眼のことを考えた、眼鏡作りをしている眼鏡店は、ごく僅かでしょう。なぜ眼鏡を掛ける必要があるのか?を考えれば、一番大切なことは、お子様が眼鏡を掛けて、自然に見えるか!疲れないか!これ以上の視力低下の進行を防げるか!ということだと思います。
お子様自身で眼鏡の具合を判断し、親御様に伝えるのは中々難しいことです。お子様が眼鏡を掛けないと、親は眼鏡を掛けなさい!と言いますが、なぜお子様が眼鏡を掛けないのかを考える親は少ないでしょう!子供が見えない!と言えば、眼が悪くなったと安易に判断するのではなく、実際にお子様の眼の状態と眼鏡が合っているのかを調べてみることが必要です。
実際に、こういう例がありました。
毎年のように眼科処方箋で、眼鏡を作りに来る当時小学校4年生の女の子がおりました。定期的に眼鏡の調整にも来店し、気心も知れており、学校のこともお話してくれます。いつものようにお母様と眼鏡の調整に来た時、お母様が、また視力が落ちたみたいで、最近、見えないというので、近々眼科へ行ってみるというのです。実は、3か月前にも度数を強くして眼鏡を作り替えたばかりでしたので、また?と思い、気になったので、現在の眼鏡でどのくらい見えているのかを検査してみました。すると、眼鏡を掛けて1.5まで見えていました。これは度数が強すぎると思い、女の子に、眼鏡を掛けて眼が疲れない?目の奥が痛くならない?と尋ねると、疲れると言いました。これは、視力が低下したのではなく、見え過ぎるのが原因です。お母様には、詳しく状態を言ったことがなく、見え具合がおかしい!と言ったので、お母様は視力が進んだと思い込んだようです。眼鏡店は、医師が発行する処方箋通りに眼鏡を作らなければならないと、医師法で定められております。ところが、眼科での処方が強すぎた為、どんどん度数を強くした眼鏡を作り続けていた為、視力が強度数になってしまいました。ここで気が付いたのは良かったですが、私達がもっと早く気が付いていれば、ここまで視力が落ち、強い度数の眼鏡を掛けなくても良かったのではないか?と、責任の重さを痛感しました。
以降、中川眼鏡店で視力検査をし、お子様の環境に合わせた度数で眼鏡を作り替えてからは、2年程経過しますが、その女の子の視力は安定し、以降、度数を強くすることもなく眼も疲れなくなったということで、安心しております。間違った判断をすると、子供の眼にも関わります。だから、信頼できる眼鏡店や眼科医で眼鏡を作り、作った後も定期的に視力検査をすることが大切なのです